研究について
研究について
確立した知識や技能を体得するだけでなく、研究活動を通じあらたな知見をもたらすことも医師の重要な仕事です。研究分野では、周術期麻酔・疼痛医学・集中治療医学・緩和医療それぞれの分野における臨床研究・基礎研究を実施する環境をそなえています。大学院研究として推進している研究プロジェクトについて以下にまとめます。昨今、日本からの海外への留学生の減少が大きな問題となっています。我々の教室でも忙しい臨床のなかで、途絶えがちになっていた海外留学を2012年度より本格的に復活させ、また海外からの留学生も積極的に受入れて国際交流の中でレベルの高い研究を施行し、また研究者を育てていく環境を整備しています。
術後痛の機序とその制御に関わる研究
手術後急性期の痛みは離床を妨げ周術期合併症の原因となります。また、少なくない患者において術後痛は慢性し、長期的な生活の質に悪影響を与えます。基礎研究では、術後痛モデルを用いた動物実験で知覚神経の機能変化を解析し、あらたな疼痛治療法を提案しています。臨床研究では、疫学調査を中心に術後痛が慢性化する危険因子の同定を行っています。基礎研究と臨床研究の複合的なプロジェクトも推進しています。
急性肺傷害・敗血症に関する研究
グラム陰性菌による重症肺炎、急性肺傷害、敗血症の病態メカニズム、それらに対する新しい治療法の開発に取り組んでいます。とくに多剤耐性菌感染に対して、抗体療法・ワクチン療法など免疫を賦活する治療法開発を重視しています。
周術期の血小板・血液凝固に関する研究
心臓手術における人工心肺などの影響を中心に、周術期の各種のストレス反応が血小板機能や血液凝固能に与える分子制御メカニズムや新しい治療法についての臨床・基礎研究を推進しています。