働く人の1日
社会人経験を生かし
患者を心身両面から支える
疼痛緩和のスペシャリストをめざす
永井 義浩
仕事の内容
緩和医療とペインクリニック業務を行っています。とくに緩和医療では小児がんの緩和医療、非がんの緩和医療に活動範囲を広げ、患者さんやご家族の生活背景を把握し、抱えている医学的な問題を一緒に解決できないか考えながら取り組んでいます。また、学会のガイドライン作成の仕事や、がんチーム医療を促進する活動にも携わっています。
教室の魅力
私が麻酔科医を選んだ大きな理由に、臓器横断的な診療科で働きたかったことと、サブスペシャリティを選ぶときの自由度の高さがあります。実際に当教室に所属して抱いたのは、さまざまなスペシャリストが同居する場というイメージ。多角的な視点で、多くのことを学ぶことができます。
また医局員全体に共感能力が高いので、非常に居心地のよい教室ではないでしょうか。プライベートもきちんと確保でき、完全にオフの日はのんびりと過ごしています。子どもの部活動の応援に行ったりネットで映画を観たりするほか、学会やワークショップなど学外の活動に参加することもあります。
今後の目標
もともとシステムエンジニアとして働いていましたが、管理業務が多く、利益追求が主な目的となる仕事に違和感を持つようになりました。自分の理想に最も近い職業である医師となった今、社会人経験と、麻酔科医として身につけた薬理的な知識を生かし、患者さんを身体的、精神的に支えていきたいと思っています。 さらに、臨床研究を少しずつ進めていくとともに、海外を含めた臨床医、研究者のネットワークを広げていきたいと考えています。
- 8:00
- 出勤、病棟回診
- 9:00~
15:00 - 外来 15〜20人程度の患者さんと新しく診療を受けに来た患者さんの対応 緩和ケアの患者さん、ペインクリニックの患者さんの両方が対象 病棟往診の依頼があれば再び往診し、 依頼元の主治医と相談も行う
- 15:00~
15:30 - 小児緩和ケアチームカンファレンス
- 15:30~
18:00 - カルテ記載、web会議
- 18:00
- 退勤
「痛み」に向き合い
診療と研究の場を広げる
大学院生
前田 知香
仕事の内容
ペインクリニックおよび緩和ケアの外来、入院患者さんの緩和ケア、緩和ケア病棟での業務に従事しています。麻酔の研鑽を積む中で、手術後の痛みの感じ方が個人で異なることから、痛みに興味を持ちました。術後短期的な痛みではなくもう少し長いスパンでの痛みの変化や、痛みが生じる理由を知りたい──。そうした思いから、現在は大学院で周術期から慢性期までの痛みに関する臨床研究も行っています。
教室の魅力
研修医時代に麻酔に興味を持ち始めたのは、広く全身を診ることができるという理由からでしたが、おもしろさと同時に厳しさも教わりました。麻酔業務に従事する中で生まれた痛みへの関心は、深まるばかりです。
疼痛緩和医療部はなんでも相談しやすいのが魅力で、患者さんの診断が難しかったり治療方針に迷ったりした時に助けてもらうことも多いですし、共感力が高いスタッフが多いので、診療上の悩みを聞いてもらうこともあります。また互いの研鑽のために、神経ブロックやエコーなどの練習をし合うこともあります。
今後の目標
現在進めている研究を形にすることが、当面の目標です。
手術麻酔について研鑽を重ねたあとにペインクリニック、緩和医療と幅広く学び、研究にも携わることができる環境をいただいたことで、私は幸いにも、働き始めてからも自分の興味や診療の幅を広げ、自分の特性について考える機会をいただけたと思っています。どれも同じくらいに携わっていくという欲ばりな選択はむずかしいかもしれませんが、少しずつでもすべてに従事できればいいですね。
- 8:20
- 出勤
- 8:30
- 研究対象の検体採取
- 10:00
- 外来 通常の外来診療の患者さんも、 研究対象の患者さんも来院
- 14:00
- 病棟往診
通常の入院診療の患者さんも、
研究対象の患者さんも往診
研究データなどをまとめる - 18:00
- 退勤