教室について

教授挨拶

天谷 文昌

天谷 文昌

Fumimasa Amaya

1993年京都府立医科大学卒。外科領域における横断的診療の魅力に惹かれ麻酔科医を目指す。周術期麻酔、ペインクリニック、集中治療の研鑚を積み、診療の幅を広げてきた。研究では痛覚伝達の機序を解析し、術後の回復を促進する良質な鎮痛法を開発するため、術後痛の研究に取り組んでいる。

私たちの教室は1965年に発足し、50年以上にわたる歴史の中で、より良い麻酔を提供するために尽力してきました。多くの麻酔科医が当教室で学び、国内外で活躍しています。麻酔で培った技術や知識を活かし、集中治療やペインクリニック、緩和医療などの関連領域で活躍する医師も少なくありません。急性期医療の中心的役割を果たしつつ、病院経営に関わる方や麻酔科学講座を主宰する教授も多数輩出しています。私たちは麻酔科学の最新の知見を取り入れながら、常に進化を続けています。

麻酔科の魅力の一つは、その横断的な診療にあります。全身管理を実践し、臓器や治療法の壁を越え患者さんに最適な選択肢を提供するのは簡単ではありませんが、やりがいのある仕事です。緊急時には即座に対応し、患者さんの命を守る役割も担っています。手術室、集中治療室、周術期管理、疼痛管理、緩和ケアと、幅広い分野で活躍できる麻酔科医は、非常に重要な存在です。麻酔科医がさまざまな医療の現場でその実力を発揮することで、医療の質を向上させ、患者さんの満足度を高めることができると考えています。現在、麻酔科医の数は不足しており、その需要は増加しています。海外では当たり前のように麻酔科医が実施している診療を日本でも広めるために、麻酔科医の仲間を増やしていく必要があります。

教育について考えてみたいと思います。手術中の全身管理技術だけでなく、基本的な手技、コミュニケーション能力、緊急時の対応能力を養うことが重要です。当教室では、シミュレーションを活用し、現場での経験と組み合わせることで、学生や研修医がより実践的なスキルを身につけられるよう支援しています。麻酔科専門医の取得は、一人前の麻酔科医として認められる第一歩です。当教室では、周術期麻酔を中心に、麻酔科学についてしっかり学べる専門研修プログラムを準備しています。研修終了時には、専門医として自信を持って診療にあたることができるでしょう。生涯学び続けることは医師にとって必要な姿勢であり、楽しみでもあります。当教室は、ライフイベントを犠牲にせずに学び続けられる体制を提供しています。麻酔科のサブスペシャリティ領域は広く、各領域の専門性が高まっています。研修中にサブスペシャリティ領域の基本を学び、自分の専門性をどうデザインするかを考えるきっかけにしてください。

皆さんも私たちと一緒に学び、麻酔科医としての道を歩んでみませんか。

沿革

  • 1965

    診療部門として青地修部長(のちに名古屋市立大学麻酔科教授)のもとに開設

  • 1966

    宮崎正夫先生 麻酔学教室教授就任

  • 1986

    日本麻酔科学会主催 (宮﨑正夫大会長)

  • 1990

    田中義文先生 麻酔学教室教授就任

  • 2008

    麻酔学から麻酔科学に名称変更

  • 2010

    日本ペインクリニック学会主催 (細川豊史大会長)

  • 2010

    佐和貞治先生 麻酔学教室教授就任

  • 2014

    細川豊史先生 疼痛緩和医療学教室教授就任

  • 2019

    日本集中治療医学会主催 (橋本悟大会長)

  • 2019

    天谷文昌先生 疼痛緩和医療学教室教授就任

  • 2022

    日本臨床麻酔学会主催 (佐和貞治大会長)

  • 2024

    天谷文昌先生 麻酔科学教室教授就任 周術期麻酔部門・集中治療部門・疼痛医療部門・緩和医療部門を含む麻酔科学教室として再編